オリーブはモクセイ科の常緑樹で、学名は Olea europaea L.です。これには野生種と栽培種があり、野生種は有史以前から地中海沿岸からアフリカ北岸一帯に自生していました。この野生種を5000年から6000年前に栽培するようになり、これが現在の栽培種の起源となりました。

オリーブの起源は小アジアとされ、シリアからトルコを経てギリシアに広がったとされています。このオリーブの栽培を地中海沿岸に広めたのは、通商や航海術に長けていたフェニキア人、ついで高い文化を誇ったギリシア人、さらに大帝国を築き上げたローマ人だったといえます。

紀元前16世紀、フェニキア人はギリシアの島々へのオリーブ栽培の普及を始め、紀元前14世紀から12世紀の間にはギリシア本土にもオリーブ栽培を導入しました。そしてオリーブ栽培に関する法令が発布された紀元前4世紀頃には、ギリシア本土でのオリーブ栽培は増加し、重要な産業になっていました。

紀元前6世紀頃からオリーブは西に進み、地中海諸国を通り、チュニジア、シシリー島、さらにはイタリア本土へと広がりました。ローマ人の支配地域が北アフリカに到達した頃、現地のベルベル人は野生オリーブに他品種を接木する方法を知っており、ローマ人支配地域においてオリーブ栽培が発展していきました。ローマ人は占領地への植民のためにオリーブ栽培を行い、結果として地中海沿岸の国々へ栽培を広げていきました。


コロンブスのアメリカ大陸発見とともに、オリーブ栽培は地中海地域を超えて拡がって行きました。まずセビリアから西インド諸島に運ばれ、後にアメリカ大陸へ拡がりました。植民地時代の植物の一つとして持ち込まれたオリーブは、1560年頃にはメキシコにおいても栽培され、その頃ペルー、カリフォルニア、チリ、アルゼンチンでも栽培され始めていました。

近代において、オリーブはその発祥の地から遠く離れたオーストラリア、中国、南アフリカ、そして日本においても栽培されています。


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